一花に花を活けたくて【蔵出し小説】

どうも、たこ焼きです。

今回はボツ……

というかエタったままDドライブに眠っていた五等分の花嫁の小説を公開します。

もちろん未完なので、そこはご理解いただきたく思います。

あと、pixiv向けに書いたもののコピペなので、はてなブログでの表示ではどのような改行等をされるかわかりません。

多少読みにくいとは思いますが、ご了承ください。

それでは。

 

「ふぅ、やっとノルマ達成かぁ。やっぱり勉強は疲れるよ」

「またお前とこうして勉強会をすることになるなんてな」

「私だってようやっと勉強から開放されたと思ってたのにさ」

「まぁ、俺だって未だに信じられていないからな……」

 

 私とフータロー君がいるのは東京にあるビジネスホテルの一室。

 もうお互いに高校生ではないけれど、あの頃を思い出して少しはしゃいでしまう。

 

「あはは、ごめんね。巻き込んじゃって」

「いやそれは構わないんだが、お前が帰国子女って……」

「もう、それは言わないでよ」

 

 実は次に私が演じる役が帰国子女の令嬢で、役作りに英会話が必要になったんだよね。

 結構いい条件の映画だし断るのは勿体なくて、スタッフさんには簡単な英語だけなのでって言われたんだけど、あいにく私は簡単な英語すら……

 

「事務所で英語教師ぐらい雇えたろ」

「いや、それが私って世間的にはミステリアスビューティーなイメージだから……」

「何処がだよ、俺には理解できないな」

「自分でも恥ずかしいんだからいちいち言わないでよぉ、ほんとデリカシーないよね」

「…………」

「それで社長が、そういえば一花ちゃんの家庭教師してた彼なら丁度いいじゃないって」

「俺だって学業があるんだぞ」

「だからバイト代出してるじゃん、割といい条件で」

「確かにそれはそうだが……」

「それに、貸したお金まだ返してもらってないよねって社長が」

「今後のシフトはどうする?俺は週七でいけるぞ」

「うんうん、それでよろしい」

 

 私の言葉に態度を変えたフータロー君に満足した私は、席から立ってベッドに横になる。

ちなみにフータロー君は私が座っていたのとは別の椅子に座ってる。

 

「もう今日は終わりでいいんだよね?」

「あ、ああ、そうだな……」

「どうかしたの?何か歯切れが悪いけど……」

「えっとだな、その、お前に一つ頼みたいことがある」

「フータロー君が私にお願いなんて珍しいね。もしかしてお金貸して、とか?」

「いや、そうじゃないんだが……」

「もう、私と君の仲なんだから緊張しなくていいよ、ほら言ってみて?」

 

 椅子から立ち上がったフータロー君が私の前に立つ。

そして小さく息を飲んだと思うと……

 

 

 

「一花、花活けさせてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと、ちょっとお姉さんには言ってる意味がわかんないんだけど……」

「言葉の通りだ。お前に花を活けたい」

 

 そう言ったフータロー君は花を私の前に取り出してみせる。

 

「それを、私に、活けるの?」

「そうだ。あと造花だから安全上の問題はない」

「そうなんだ……まだ納得はしてないけど」

「頼む、一花にしか頼めないんだ」

 

 ベッドに座っていた私にかがみ込むようにしてフータロー君の顔が迫る。

 普通の顔の筈なのにやっぱりかっこいいなぁ……

 触れられてもいないのに、ついつい胸の奥でブザーが鳴り響いてしまう。

 

「わかった、わかったからちょっと離れてっ」

「あっ、悪い」

 

 私に押し返されて、身を乗り出してきていたフータロー君が元の位置に戻る。

 

「その、私にしか頼めないんだよね?」

「ああ」

「二乃や三玖や五月ちゃんでは……」

「無理だな」

「……四葉は」

「こればっかりは四葉でも……」

「ふーん、そっか、そうなんだ……」

「……だって花が名前に入ってるのお前しかいないからな」

 

 何かフータロー君が言ってるけど、今はそっちに気が回らないや。

 私にしかできない……

 フータロー君が私を頼ってくれてる……

 しょうがない、よね……

 

「わかった、いいよ。好きなだけ私に花を活けていいよ」

「そうかっ、ありがとうな一花」

「……って、私に花を活けるとは言うけど、具体的にはどうするの?」

「それを一緒に考えていきたいんだ」

「そっか……」

 

 フータロー君の手にある花を手に取って掲げてみる。

 

「こういうことじゃないんだよね、多分」

「そうだな、それでは持ってるだけだ」

「だよね……」

 

 確かにこれでは見た人が持つ印象は持っているや掲げているで、活けているとは思わないだろう。

 適当に誤魔化す手もあったけれど、女優という表現者としてのプライドがそれを許さない。

 

「じゃあどうするの、貼り付けるとか?」

「いや、それでも活けていることにはならないだろう」

「そうだよね……」

「だから、挟んでみようと思うんだが……ちょっと手を出してもらえるか?」

「手を? まぁ、いいけど……」

 

 左手を差し出すと、その手をフータロー君は両手で掴んで指を開いたり閉じたりしてた。

 私の指の間に自分の小指を挟んだりしていて、異様な光景だったけれどフータロー君の手のゴツゴツした感触が私の指に擦れて少し気持ちよかった。

 

「どう?」

「試してみたが手では駄目そうだ、すまない」

「……じゃあさ、脚の指はどうかな?」

 

 うわーっ、何言ってるんだろ私。

 おかしい、おかしいよ。

 だって脚の指だよ?

 こんなのフータロー君も引いちゃう……

 

「いいのか?」

 

 引かないんだ、よかった……

 よかった、のかな?

 

「う、うん。いいよ……ちょっと待ってね」

 

 私は膝を曲げて右脚をベッドの縁まで上げ、靴下を脱ぐ。

 その様子をフータロー君は床に座ったまま、じっと見ていて……

 もう、そんなに見ないでよ、靴下脱いでるだけなのに照れちゃうじゃん……

 それに眼が真剣だから、今更嘘でしたとか言えないし……

 素足になった右脚をフータロー君に向けて伸ばしていく。

 

「はい、どうぞ……」

「じゃあ、いくぞ」

 

 すぐに指に挟むのかなって思ってたけど、指や脚の裏を人差し指の背でなぞってた。

 少しくすぐったいけど、我慢できない程じゃない。

 足の裏って他人にあまり見せないし、触られることもないなぁ……

 余裕の生まれた頭でそんなことを考える。

 そんな折、フータロー君の顔が私の脚の指に近づいてきて……

 

「ちょっとフータロー君っ、それは……」

「……どうしたんだ?」

「どうしたんだって……」

 

 えぇ、本気で言ってるの?

 だって脚だよ?

 今日も一日ロケしてたんだよ?

 顔なんて近づけて臭いでもしたら……

 しないけどさっ!!

 

「やっぱり、嫌か?」

「……嫌ってわけじゃないけど、その、嗅いだりするのはダメだから」

「……大丈夫だ、別に臭いはしないぞ」

「~~~~~~っ!!」

 

 嗅いじゃダメって言ってるのに!

 なんで嗅いじゃうかなぁ!

 臭わなかったのはよかったけど……

 ほんと、もう……

 

「君ってっ! ほんっとうに! デリカシーっ! ないよねっ!!!」

「悪かったっ、謝るから落ち着いてくれ一花っ」

 

 右脚でフータロー君を蹴る。

 座ったままで力は乗らないから怪我はしないはず。

 まぁ、これは蹴られても仕方ないよ、女の子の脚を嗅ぐとか……

 

「……すまなかった、もうしないから許してくれ」

「もう嗅がない?」

「ああ、もう嗅がん」

「じゃあ……はい」

 

 再び伸ばした私の右脚。

 その指の間に、フータロー君が花を挟んでいく。

 指の間に挟むだけじゃなく、指を折り曲げてその間に挟んでみたりといろいろしてた。

 

「どう、満足できそう?」

「いや、試行錯誤はしてみたんだが……」

 

 どうやらダメそう。

 はぁ、嗅がれ損かぁ……

 それになんだかちょっと悔しい。

 

「うーん、残念だけどここまでかぁ……」

「まだだ」

「えっ、でももう手も脚の指もやったし……」

「一花の脚を触っていて思ったんだが、膝裏にも花は挟める」

「確かに、そうだけど……」

 

 膝裏って、膝裏だよ?

 そんなの……

 あれ、膝裏ぐらいならよくない?

 とてもイケないことのように勘違いしてたけど、膝裏に花挟むだけだよね……

 

「わかった、いいよ」

「そうか、じゃあうつ伏せになってくれないか?」

「うん」

 

 フータロー君の指示通りにベッドにうつ伏せになると、フレアスカートを膝上までするすると捲られる。

 フータロー君もベッドに乗ったためにキシキシと音が鳴った。

 膝裏に指が触れる。

 私の膝裏を指先がつーっと撫でていく感触に、思わず背筋がゾクゾクしてしまう。

 

「汗とか、大丈夫?」

「少ししっとりしてるが問題ない」

 

 それって汗ばんでるってことだよね?

 何も大丈夫じゃないじゃん、もう……

 でも、私は身体に力は入れない。

 ただフータロー君にされるがまま……

 脚首を掴んで膝を曲げられたり、花を抜き差しされたり……

 うつ伏せで見れない分、触覚が鋭敏になってる。

 いや、身体に力が入らないが正しいかも……

 

「ひゃっ!!」

 

 腋にいきなり感じた感触に思わず声をあげてしまった。

 ひゃって、自分でもそんな声出るんだと思っちゃったじゃん……

 

「そこ、腋だよね?」

「悪い、その綺麗だったから……」

「もう……いいよ、はい」

 

 起き上がって右腕を上げる。

 今日はノースリーブだから腋を見せること自体にはそんなに抵抗はない。

 

「……顔は近づけちゃダメだから」

「おう」

 

 抵抗はないけどこれは別問題。

 フータロー君が持った花の茎が腋の肌に触れる。

 造花が少し冷たくて、自分の体温が上がってるのがわかった。

 

「あっ……」

 

 花が腋を撫でた時、脊椎反射で声が出て身を引いてしまう。

 

「やはり、穴に挿し込んでこそ活け花だと俺は思う」

「あー、そっか……えっと、鼻の穴は流石にちょっと遠慮してほしいなーって思うんだけど……」

「ああ、わかってる。鼻はギャグみたいになるからな」

「よかったぁ、ちょっと安心したよ」

 

 

……ここまでです。

自分でも「こっからやんけ!」ってなりました。

一応顛末は考えていたので、思い出せる限りは記しておこうと思います。

 

書いていた頃からガチエロにするつもりはなく、お色気コメディを目指していたので、活けるのはヘソと下乳までだった……はず。

この後、一花は恥ずかしさから気絶します。

恥ずかしい夢だったなと思いながら起きた一花がリビングに行くと二乃は雑誌、三玖と四葉はテレビを見ています。

そこで二乃が一花に質問、「あんたもフー君と生花したの?」

そこで一花はここでは自分が風太郎と付き合っていることを知ります。

そして雑誌とテレビでは、異性と行う生花についてという特集が行われていることに気付きます。

これは女性向け雑誌で行われている(らしい)セッ……特集みたいなもんだと考えてください。

照れながらも興味津々にからかってくる妹たちと、自分の知らない性の常識に戸惑う一花。

そこに家庭教師として現れる風太郎。

一花との生花経験について二乃たちから質問攻めにあう風太郎が、あんなの教えられるわけないだろと顔を真赤にして髪を弄りながら答える姿に、再び一花は恥ずかしさから気絶。

ここでタ○リが登場、生花が性行為のように扱われる奇妙な世界をなんかいい感じにまとめます。

一花も再び目を覚まします。

怯えながらリビングに行くと今度は五月がいます。

一花は、今の常識を確かめる為に冗談を装いながら自分と風太郎が生花をするかもと仄めかします。

「何をおかしなことを言っているのですか?」

五月のその反応に、一花は今まではすべて夢で、この間女優として出演した世にも奇妙なあの番組に影響されたんだと結論付けます。

安堵する一花に、

「生花なんて将来を誓い合った人だけとするものじゃないですか」

そう言葉を続ける五月。

 

まぁ、だいたいこんなオチでした。